数学解析入門

Introduction to Mathematical Analysis

 

 集合と位相(数学解析入門1, 2)と関数解析学(数学解析入門3)の入門講義をYoutube動画とレジュメのPDFファイルで用意する。全てのPDF資料は、両面印刷したときになるべく見開きで一項目になるように作成されている。90分講義1コマ分を1講として15講ずつの内容を数学解析入門1, 2, 3のページに配置している。各講ごとに一定のペースで楽しみながら学習していただきたい。

 理学部数学科における(数学者志望者を対象とする)講義の水準には達しないが、その他の学部や学科の学生が容易に理解し、自らの専門分野の研究に役立ててもらうことを主目的としている。実際にはこの水準の知識があれば、微分積分学や線型代数学の理解も進み、自らの専攻分野を深く学ぶ上でさほど困難はなくなるであろう。数学者志望の学生も、本教材程度の内容を早い段階で学んでおくことで、本格的な位相空間論や関数解析学の理解が容易になるはずである。

 

学習方法

 各講ごとに次のように勉強するとよい。

(1) レジュメのPDFファイルを印刷し、それを見ながら動画を視聴する。

(2) 紙とペンを用意し、証明や例は自ら手を動かして書いてみる。

(3) 翌日や忘れた頃に(できればレジュメを見ないで)やり直してみる。 

 復習の助けとなるように各講ごとに練習問題を用意している。

このようにして理解を確実にしてから次の講に進むとよい。

 

主要参考文献

1.『距離空間と位相空間』高橋渉(横浜図書

2.『非線形・凸解析学入門』高橋渉(横浜図書)

3. "Introduction to Nonlinear and Convex Analysis", Wataru Takahashi (Yokohama Publisher)

(3は2の英語版)

 

授業で利用される先生方へ

 本教材は大学の授業で利用しやすいように、分量の配分などを工夫しています。数学解析入門1, 2, 3がそれぞれ2単位分に対応しています。それぞれが15講からなり、1講が90分授業一コマ分で、各講ごとに練習問題をつけています。本教材を授業の効率化のために活用し、時間が浮くようならその時間をその他の教育上の工夫や研究に充てていただければ幸甚です。


論理的思考

 論理的思考がすべての知的作業の基礎であるため、『論理的思考入門』と題する資料をすぐ下に用意している。下の講義内容の第0講では、そのダイジェスト版を用意している。

※全てのPDF資料は、両面印刷したときになるべく見開きで一項目になるように作成されている。 

論理的思考入門

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論理的思考入門(2020).pdf
PDFファイル 3.4 MB

数学解析入門1, 2

 位相空間の特殊ケースではあるが、最も基本的な距離空間を中心に解説する。予備知識は高校の数学I, A, II, B程度でよい。ゆえに、意欲的な高校生3年生や数式を扱う分野から離れて久しい社会人の方々も十分に学習可能である。

 

 本教材の大学のカリキュラムにおける位置づけ

 すでに述べたように、本教材だけでは理学部数学科の「集合と位相」の標準的な到達水準には達しない。数学科においては、本教材は学部2年生の前期(春学期)および夏休みに集中的に学習し、(多くの人にとって鬼門と言われる)本格的な位相空間論の講義に備えるとよい。

 理学部数学科以外では、そもそも理論的な現代数学が系統だって教えられている学部や学科は少ない。だが、大学院進学希望などの理由で、理論的な数学を習得する必要がある場合、本教材は必ず役に立つ。そのような場合、できれば学部2~3年時に本教材を学習し、そのうえで大学院入学までに微分積分学、線型代数学、確率統計を(改めて)勉強しておくとよい。(確率論については、本ホームページ内の「確率論入門」のページに4単位分に相当する内容を準備している。) 本教材を学習前と比較して理解が格段に進むはずである。

 

授業で利用される先生方へ

数学解析入門1の授業での利用の仕方について

 数学解析入門1では、集合から始めて、実数、数列、その極限を学び、距離空間のさわりまでを扱っています。集合については、選択公理、整列可能定理などの込み入った議論は避け、現代数学を学ぶための用語に慣れることを主眼としています。可算、非可算など集合の濃度さえも説明していないので注意してください。第0講の論理的思考については、各自で自習しておくように指示しておいてください。

(i) 2単位分の授業で15回分きっちり確保できる場合、第14講が少し分量が多く、第15講は少ないので、第14講の内容の一部を第15講に回せばよいでしょう。

(ii) 初回にガイダンスを行うなどの理由で、実質的には14回分の講義しか確保できない場合は、多少駆け足でも第14講まで講義して、第15講の内容は数学解析入門2の1回目に回してください(数学解析入門2・第0講として用意しています)。その場合、数学解析入門2の第3講(関数の極限)を省略すると、数学解析入門2の分量もちょど15回分になります。

数学解析入門1

Introduction to Mathematical Analysis 1

第0講  論理的思考:入門の入門

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論理的思考:入門の入門.pdf
PDFファイル 1.4 MB

第1講  集合とそれらの包含関係 (1)

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SetsandSetInclusion(1).pdf
PDFファイル 5.7 MB

第2講  集合とそれらの包含関係 (2)

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SetsandSetInclusion(2).pdf
PDFファイル 4.0 MB

第3講  写像

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Mappings.pdf
PDFファイル 6.9 MB

第4講  像と逆像

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Images-InverseImages.pdf
PDFファイル 5.1 MB

第5講  同値関係と順序関係

※今回は動画とレジュメが2セットあります。

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EquivalenceRelations.pdf
PDFファイル 3.4 MB
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OrderRelations.pdf
PDFファイル 3.3 MB

第6講  上限と最大元,  実数と数列

※今回は動画とレジュメが2セットあります。

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Supremum,Maximum.pdf
PDFファイル 5.0 MB
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RealNumbersandSequences.pdf
PDFファイル 3.8 MB

第7講  有界関数

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BoundedFunctions.pdf
PDFファイル 5.7 MB

第8講  数列とその極限 (1)

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Limits(1).pdf
PDFファイル 5.6 MB

第9講  数列とその極限 (2)

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Limits(2).pdf
PDFファイル 6.1 MB

第10講  距離空間:定義と例

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MetricSpaceDefandEx.pdf
PDFファイル 5.0 MB

第11講  点列の収束

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ConvergenceofSequences.pdf
PDFファイル 5.3 MB

第12講  開集合・閉集合 (1)

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OpenandClosedSets(1).pdf
PDFファイル 4.4 MB

第13講  開集合・閉集合 (2)

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OpenandClosedSets(2).pdf
PDFファイル 5.0 MB

第14講  距離空間における基礎概念

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BasicConcepts.pdf
PDFファイル 6.4 MB

第15講  有界性

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Boundedness.pdf
PDFファイル 3.1 MB